2026/02/21 19:23

今日は、森の農場でぶどうの芽傷(めきず)作業を行いました。

森の農場は「短梢栽培」で管理しています。
短梢栽培は、基部の芽を使って樹形を整えていく栽培方法で、
芽が比較的そろいやすく、基本的には芽傷を必要としない仕立て方です。

そのため、本来であれば芽傷は行わない作業です。


今回、芽傷を行ったのは“延長した枝のみ”

今回芽傷を入れたのは、
今年新しく延長した枝だけです。

枝を延長すると、先端側の影響が強く働き、
基部側の芽が動きにくくなることがあります。
これは、いわゆる“頂芽優勢”によるものです。

そこで、発芽してほしい芽の少し先(先端側)に浅く傷を入れることで、
先端から伝わる発芽抑制の影響を弱め、
芽がスムーズに動き出せる状態をつくります。

栄養を集めるためというよりも、
芽が目覚めやすい環境を整えるための一手間です。


なぜそこまで丁寧にするのか

芽がそろうかどうかは、
その年の枝配置、日当たり、風通し、
そして最終的な房づくりの精度に大きく影響します。

特に延長枝は、
これからの樹形を担う大切な部分。

だからこそ、本来は必要のない作業でも、
必要な場所だけ、必要な分だけ、丁寧に手を入れました。


小さな傷ですが、
それは傷ではなく「調整」。

ぶどうの樹が持つ本来の力を、
無理に引き出すのではなく、
少しだけ整えてあげる。

森の精油所で香りを引き出す蒸留と同じように、
畑でもまた、“整える”という仕事を積み重ねています。

春の芽吹きが、今から楽しみです。