森の農場について
ぶどうの香る農園から
森の農場は、京都・福知山の里山に広がる小さなぶどう農園です。
山間部ならではの寒暖差のある澄んだ空気と豊かな土に恵まれたこの土地で、果実本来の香りや味わいを大切にしながら、ひと房ひと房ていねいに育てています。
自然に寄り添う農のかたち
森の農場が大切にしているのは、
自然と調和した、無理のない農のあり方です。
畑の主役は人間ではなく、
土と植物、そしてその周囲に息づく小さな生きものたち。
私たちはその中にそっと入り込み、できるだけ手を添えるにとどめながら、共に育つような姿勢を心がけています。
農薬や化学肥料は、できる限り使いません。
派手な成長や見た目の整った果実を求めるのではなく、
土の中の力や季節の移ろいに逆らわず、
植物たちが本来持っている力を信じて育てています。
簡単ではありませんが、そうした積み重ねの先にこそ、
土地に根ざした“森の味わい”が生まれると信じています。
豊かで深い香り、自然な甘さ、しっかりとした果肉。
五感で楽しむぶどうを育てるために、
私たちはこれからも自然の声に耳を傾けながら、
農のかたちを探り続けていきます。
森の恵みを、香りというかたちで

森の農場では、7種類のぶどうを栽培するとともに、
「森の精油所」としてヒノキなどの森の恵みを使った
精油や芳香蒸留水の自家蒸留も行っています。
精油を抽出したあとのヒノキの蒸留残渣(チップ)は廃棄せず、隣接するぶどう園に撒いて肥料として再利用。
森の恵みを無駄なく循環させる仕組みを大切にしています。
農業と精油製造という異なる分野のあいだに垣根をつくらず、それぞれの営みをつなぐことで、自然の循環を活かしたカーボンニュートラルな取り組みを実現しています。
こうした活動が評価され、
森の精油所は「福知山市SDGsパートナー会員」に登録され、さらに「ソーシャル企業認証制度(S認証)」も取得しています。
人と自然のあいだを、もっと近くに
森の農場は、「育てる」「味わう」「香る」といったさまざまな体験を通して、自然との距離を少しだけ近づける場所でありたいと願っています。
忙しい日々のなかに、ほんの少しでも自然の息づかいを感じてもらえたら――それが、私たちのよろこびです。